HGUC百式の塗装|金色の深みを整える下地発色クリアの現実的工程と擦れ対策

百式は眩しい金色が主役ですが、実物感は「色そのもの」よりも下地・発色・艶・アクセントの連携で決まります。明るい金を無理に強くせず、深みを少しずつ足すと、光の向きで表情が変わり、写真も扱いやすくなります。
本稿はHGUCのサイズ感に合わせて、下地の選択、金の重ね方、部分色の整理、擦れ対策、パネルラインやマーキングの運用、仕上げの艶調整を段階化します。強い指示ではなく「こうすると回りやすい」という目安でまとめ、道具の違いにも対応しやすくしました。試し塗りの小片を用意し、段階ごとに比べるだけでも完成後の落ち着きが変わります!

  • 下地は黒系/暖系/中間の三択で方向を決める。
  • 金は厚塗りせず薄い層で質感を上げる。
  • 赤・青・黒は濃淡を分けて密度を作る。
  • 関節や持ち手付近は擦れ対策を優先する。
  • パネルラインは黒より茶系が馴染みやすい。
  • 艶は半光沢を基準に局所で艶差を残す。
  • 乾燥と触り方を決めると仕上がりが安定する。
  • テスト片の「前後」を写真で残すと再現しやすい。

HGUC百式の塗装|要点整理

百式の金は「派手に見えるのに落ち着いている」矛盾を抱えています。そこで、明るさは下地で、深みは薄い重ねで、艶は仕上げで分担させると、小さな面でも破綻しにくいです。最初に全体設計を決めると、部分塗りやマーキングの判断も揃いやすくなります。

方針を二択ではなく三択で決める

「黒下地で強く光らせる」「落ち着いた金でまとめる」の二択にせず、中間のグレー/ベージュ下地という第三の選択肢を置くと、金の幅が広がります。展示や撮影の環境に合わせやすくなるのも利点です。

面構成を読む:平面・折り・小面で役割分担

HGUCの百式は大面が少なく折り面が多いため、境目の艶差で情報量を作るとスケール感が出ます。金一色で塗り切らず、関節やインナーに暗さを配分します。

赤青黒の扱い:彩度の置き場所を決める

胴の青や頬の赤は視線の起点です。金の彩度を上げすぎると競合するため、赤青を少しだけ濃く、金は明るさで勝たずに深みで対抗させると安定します。

持ち方と乾燥のルール化

金は指紋や擦れが目立ちやすいので、「持つ場所」「乾かす手順」を先に決めます。持ち手の向きを統一し、触る回数を減らすだけで仕上がりが整います。

試し塗りの管理:段階写真で再現性を上げる

同じ配合でも噴き方で見え方が変わります。段階ごとにテスト片を撮影し、光源と角度を固定して記録すると、やり直しや増産時に役立ちます。

注意
金の厚塗りは控えるのが目安です。薄い層で屈折を作る方が、輝きのムラが自然になります。

手順ステップ(全体設計)
1) 下地の方向を三択から選ぶ → 2) 赤青黒の濃度を先に決める → 3) テスト片で艶と発色を確認 → 4) 持ち手と乾燥の導線を整える → 5) 量産順序をメモする

ミニ用語集
:薄く重ねる一回分の塗膜。
折り面:小さな角度差で折れている面。
導線:持ち手/乾燥/組立の動きの順路。

下地で決まる金の方向:黒系・暖系・中間の選び方

同じ金でも下地で印象は大きく変わります。黒系は鏡のような強い反射、暖系(赤茶/ベージュ)は穏やかな粒立ち、中間(グレー/アイボリー)は両者の間で扱いやすい帯です。撮影光が弱い環境では黒系、肉眼の遊び中心なら暖系や中間が扱いやすい傾向があります。

黒系下地:強いコントラストで輪郭を強調

光の当たる側は強く立ち、影は締まります。小面の連続が多い百式では、角がはっきりして写真映えがしやすい反面、埃や塵が目立ちやすいので吹き付け前の除電やブローを丁寧に行うと安心です。

暖系下地:質感の厚みと肌理の穏やかさ

黄みや赤みを下で支えると、金の粒が柔らかく見えます。室内の電球色でも濁りにくく、肉眼の落ち着きが得やすいのが利点です。

中間下地:撮影と肉眼の折衷

ニュートラルグレーやアイボリーは汎用性が高く、赤青黒の差し色も受け止めやすいバランスです。初めての全塗装なら選びやすい帯です。

比較ブロック(下地と見え方)
黒系:反射強く輪郭明快。埃が出やすい。
暖系:粒が柔らかく落ち着く。彩度は控えめ。
中間:両立型で失敗が少ない。

ミニ統計(体感の傾向)
・光量が弱い部屋では黒系が写真で立ちやすい。
・電球色では暖系の濁りが少なく見えやすい。
・屋外撮影では中間が露出幅を取りやすい。

ミニチェックリスト
□ 撮影環境の光色と光量を把握したか
□ 赤青黒の濃度と競合しない下地か
□ テスト片で艶と色みを確認したか

金の発色を作る重ね方:粒子感・ムラ・艶の整え方

金は薄く重ねるほど透明感が残り、厚く乗せるほどソリッドになります。HGUCでは厚塗りによる段差が目立ちやすいので、噴き始め/終わりをパーツ外で行い、面の外周から中央へ薄く寄せると均一に見えます。小面の集合は角で色が溜まりやすいため、角に対して斜めから当てるのが目安です。

噴き方の基本:距離・圧・速度の三点調整

距離は中庸、圧はやや低め、速度は一定が扱いやすい傾向です。面が濡れたら止め、乾きかけに次の層を薄く重ねるとムラが減ります。

粒子感の制御:薄い層で整える

一度で密度を上げず、薄い層で粒を揃えます。局所のムラは乾燥後に極薄で均します。光源の位置を変えて確認すると、段差が見つけやすいです。

艶の整え方:後で決める前提で軽く止める

金の段階では最終艶を決めない方が安全です。半光沢〜艶ありの間で後から決め、金層は必要最低限で止めると、擦れにも強くなります。

表(吹き方の目安)

項目 推奨帯 ねらい 注意
距離 中距離 面全体の均し 近過ぎは段差
やや低め 粒の暴れ抑制 低過ぎはザラつき
速度 一定 ムラ予防 往復で止めない
重ね 極薄×複数 屈折の層作り 厚塗りは鈍化

よくある失敗と回避策
1) 角に濃色が溜まる → 角へ正面で当てず斜めで薄く。
2) 乾燥待ち短く触って指紋 → 乾燥棚と持ち方を固定。
3) ざらつき → 圧を少し上げ、薄く重ねる。

Q&AミニFAQ
Q. 金が鈍く見える?
A. 下地を一段明るく、金層は薄く重ね直すと抜けが出ます。
Q. キラキラが強すぎる?
A. 後段で半光沢を薄く当て、粒の反射を均します。

アクセント色と関節の整理:赤青黒とグレーの配分

百式の印象はアクセントで締まります。胴体の青、頬やセンサー赤、関節や武器の黒/グレーは、金の面積を受け止める役割です。ここを濃度ごとに分けると密度が上がり、小面の集合にも理由が生まれます。

青の扱い:少し深く、艶は抑えめ

彩度を上げるより明度を落とし、艶を金より低くすると、中心が締まります。境界のマスキングは段差が出やすいので、塗膜を薄く保つと安心です。

赤の置き所:視線の起点を作る

小面に効果が出るため、鮮やかさは保ちつつ艶は控えめが目安です。センサーは微光沢で点の反射を狙うと存在感が出ます。

関節・武器:黒とグレーの二段で情報量を作る

全て黒にせず、可動や陰になる場所をグレーに分けると、金が過剰に重くなりません。艶はさらに落として差を作ります。

  1. 胴の青は明度を抑え、艶は低めに。
  2. 赤は視線の起点。小面を活かす。
  3. 黒とグレーの二段で可動を見せる。
  4. 境界の段差は薄膜で抑える。
  5. 艶差で金との距離を作る。

赤青黒の艶を一段落としただけで、金が急に落ち着いて“面で光る”ように見えました。派手さは残り、視線は散りません。
ベンチマーク早見
・青:低明度/低艶で中心を締める。
・赤:鮮やか/微光沢で起点を作る。
・黒/グレー:低艶で可動の情報を出す。

有序リスト(境界の段差対策)

  1. マスキングは面の折りで区切る。
  2. 重ねは薄く、境目へ直角で吹かない。
  3. 剥がしは完全乾燥前の半乾で慎重に。
  4. 段差は後で艶合わせで均す。

擦れと指紋の対策:保持・乾燥・トップコートの運用

金は擦れが目立ちます。HGUCの小パーツは持ち替え回数が増えがちなので、保持と乾燥の導線を決めるほど仕上がりが守られます。トップコートは艶だけでなく、触れ方の自由度を上げる役割も担います。

保持の工夫:持つ場所を決めて統一

見えない差し込み側やダボ周辺に棒を固定し、同じ方向で掛けると塗り残しが減ります。持つ位置をメモしておくと、無意識の持ち替えを防げます。

乾燥の分割:面の向きで段取りを変える

平面は横向き、折り面は斜め向きで乾燥させると埃が乗りにくいです。乾燥棚を簡易でも用意すると、動線が安定します。

トップコート:半光沢基準で局所艶差を残す

全面を均一にせず、青や関節は艶を落とし、金は半光沢で止めると粒が整い、擦れの白化も出にくくなります。厚塗りはくもりの原因になるため薄く数回が目安です。

  • 保持は差し込み側を優先すると安定します。
  • 乾燥は向きを分けると埃の付着が減ります。
  • トップは薄く数回で艶を合わせます。
  • 触る前に時間と順序を決めておきます。
  • 最終組立は柔らかい手袋が安心です。

注意
トップの厚塗りは艶の鈍化に繋がります。薄く分けて乾燥を挟むのが目安です。

比較ブロック(艶の選択)
艶あり:輝きが強いが指紋に弱い。
半光沢:粒が揃い扱いやすい。
艶消し:落ち着くが金の明るさは控えめ。

パネルライン・マーキング・最終調整:情報量と落ち着きの両立

金面の線は強く出がちです。黒で一律に入れると硬く見えるため、茶系やダークグレーを主体に、場所によって濃さを変えると馴染みます。マーキングは白/淡灰が扱いやすく、青や黒にはやや明るいグレーで柔らかく入れると落ち着きます。

線色の使い分け:金は茶、青は濃灰、黒は薄灰

金に黒は強すぎるため茶系が目安です。青は濃灰、黒は薄灰で段階を付けると、線だけが浮きません。拭き取りは塗膜に優しい方法を選びます。

マーキングの密度:点と線でリズムを作る

小さな白い文字やラインで点を散らし、青や黒には淡い帯で流れを作ると、視線が巡回します。入れ過ぎは賑やかに見えやすいので、面の中心は空けるのが目安です。

最終艶の合わせ:面ごとに艶差を残す

金は半光沢、青は微光沢、黒やグレーは低艶という階段を作ると、写真でも判読しやすくなります。最後に全体を軽く当てて、部分の艶差を壊さない程度に整えます。

ミニ統計(体感の安定設定)
・線色:金=茶系/青=濃灰/黒=薄灰でなじみやすい。
・マーキング:白/淡灰は金上で読みやすい。
・艶差:金>青>黒/グレーの順で階段を作る。

手順ステップ(仕上げ)
1) 線色を面ごとに決める → 2) 点と帯で密度を作る → 3) 艶差を確認 → 4) 軽く全体を整える

よくある失敗と回避策
1) 黒ラインで硬くなる → 茶系へ置換。
2) マーキングが賑やか → 面中央を空け、端へ寄せる。
3) 最終艶で均一化 → 全体は軽く、部分艶差を残す。

まとめ

HGUC百式の塗装は、下地で方向を決め、金は薄い層で重ね、赤青黒と関節で密度を作り、保持と乾燥で擦れを避け、線と艶で落ち着きを与える流れが扱いやすい目安です。
黒系/暖系/中間の下地三択から始め、金は厚塗りに頼らず屈折の層を作ると、小面の集合でも破綻しにくくなります。赤青は艶を落として中心を締め、関節は黒とグレーの二段で情報を足すと、金の主役感が保たれます。
保持と乾燥の導線を先に決め、トップは半光沢基準で局所の艶差を残すと、指紋や擦れを抑えつつ写真でも読みやすい表情になります。最後は茶系ラインと控えめなマーキングで密度を整え、金の深みを邪魔しないリズムで締めると、眩しさと落ち着きが両立します。