カルソニックブルーは「濃いのに軽い」「鮮やかだが派手すぎない」という相反する印象が魅力です。
実車は太陽光やレンズ特性で色が揺れるため、模型では光源・艶・面の三点を整えると近づきやすくなります。まずは市販塗料の候補と混色の考え方を把握し、撮影までの導線を組むのが目安です!
- 濃度の柱を決めてから彩度を足す
- 艶の統一で色差をならす
- 面の滑らかさで明度を底上げ
- ロゴと境界は先に設計
- 撮影光で最終調整を想定
カルソニックブルーの塗料選び|図解で理解
最初の章では、再現の軸と到達点の決め方を明確にします。色は三属性(色相・明度・彩度)で語られますが、模型では艶と面の状態が見え方を強く左右します。実車の「青」は太陽の直射で明るく、日陰で深く落ち着きます。模型では光源と艶の管理でこの揺らぎを安全域に収めると安定します。
基準色の定義とスケール効果
同じ塗料でも1/24と1/12では見え方が変わります。小さなスケールほど明度を半段階上げ、彩度は控えめに寄せると写真での「締まり」と「抜け」の両立がしやすいです。濃く見せたい場合も、艶で沈めるより明度を少し下げる方向で調整すると破綻が出にくいです。
候補塗料の選び方
青系の中でも「わずかに緑が差す深めの群青」を柱に据えると近づきやすくなります。ビビッドなコバルト寄りは写真で浮きやすく、群青寄りは地味に傾きやすいため、艶での見え方も合わせて候補を選びます。
艶で整えるという発想
カルソニックブルーは艶が立つと軽く、艶を落とすと重く見えます。光源下での反射帯を滑らかに出すため、研ぎ出しやトップコートの選択が色決めと同じくらい重要です。艶で整え、色は微差で寄せる方針が作業負担を抑えます。
写真基準でのゴール設定
完成写真の想定角度を先に決め、その画面で「青が黒く沈まない」「白ロゴがにじまない」を評価基準とします。評価点が明確だと、途中の判断に迷いが少なくなります。
テストピースの運用
本体と同じプラ材にサフ→カラー→トップの順でテスト片を作り、光源ごとに撮影してから本塗装に入ると手戻りが減ります。撮影時の露出を固定して比較すれば、彩度や明度の差が読みやすいです。
- 完成写真の想定光源と角度を決める。
- スケールに合わせて明度を半段階調整する。
- 群青寄りの青を柱に、緑味と彩度を微調整。
- テスト片で艶と色の相関を撮影比較。
- 本体は面出し→本塗り→トップで一気通貫。
- 評価基準が「写真」で言語化されているか。
- 明度の補正幅がスケールに適しているか。
- 艶の方針(高め/中庸/低め)が決まっているか。
- テスト片の撮影条件が再現可能か。
- 面の滑らかさに段差が残っていないか。
- 白ロゴが滲まず境界がシャープ=艶と面が整っている
- 日陰でも青が黒落ちしない=明度設定が適正
- 直射で軽く見えるが薄くない=彩度配分が良好
- 写真の露出固定で再現性がある=評価系が安定
- 研ぎ出しで反射帯が続く=面出しが効いている
実車色の揺らぎと模型スケールでの見え方
実車の塗色は時間帯や雲量、カメラのホワイトバランスで印象が変わります。模型ではこの揺らぎを「見せたい青」に収束させる必要があります。ここでは光と艶、背景が与える影響を整理し、スケール差の補正を組み込みます。
光源と色の関係
昼の直射は青を軽く、夕方や室内光は重く見せます。模型では撮影光源を固定するだけで評価が安定します。屋外撮影を想定するなら、明度を少しだけ落としておくと直射での白飛びを抑えやすいです。
背景・床面が与える錯視
グレー背景は青を中立に見せ、黒背景は彩度を引き上げて見せます。展示を黒台座で行う場合、色は半段階落ち着けると過飽和を避けやすくなります。床の反射は足元の影を浅くし、色が軽く見えることもあります。
スケール補正の実務
1/24では明度+5〜10%を目安に、1/12では彩度−5%を起点に検討すると破綻が少ないです。数字は塗料や光源で変わるため、テスト片での撮影比較を前提に微調整します。
明度をやや下げ、艶を高めに。白飛びを抑え安定。
明度を上げ、艶は中庸。青の沈みを回避しやすい。
Q. 室内撮影で青が重く見えます。
A. 明度を少し上げるか、艶を中庸に寄せると軽く見えます。背景をグレーにすると評価が安定します。
Q. 屋外で青が薄く写ります。
A. 明度を半段階下げ、研ぎ出しで反射帯を整えると色の芯が出ます。
市販塗料の候補比較と質感コントロール
市販の青系から「わずかに緑が差す群青」を軸に候補を集め、艶と層構成で最終的な見え方を整えます。ここでは候補の方向性と質感の制御点を表にまとめ、失敗しやすいポイントを先回りで押さえます。
候補の方向性を掴む
同じ青でも、群青寄り・コバルト寄り・ウルトラマリン寄りなど性格が異なります。カルソニックブルーは写真でやや緑を感じる瞬間があるため、群青を柱に微量の緑味で寄せる発想が扱いやすいです。
艶・層構成での差し引き
色の微差は艶で相殺できます。濃いと感じたら艶を中庸に、軽すぎたら艶を一段上げて深度を作ると収まりやすいです。下地サフの明度も大きく影響するため、濃い青にはやや明るめのグレーサフが安全です。
道具と扱いのコツ
青はムラが見えやすい色です。希釈は薄めで複数回の薄吹き、ノズル距離は一定に保つと「帯状の色むら」を予防できます。乾燥を挟む際はダストを避けるため、箱状の覆いを用意すると安心です。
| 方向性 | 長所 | 注意点 | 艶の相性 |
|---|---|---|---|
| 群青寄り | 重心が低く実車感が出やすい | 暗所で黒落ちに注意 | 高〜中庸 |
| コバルト寄り | 発色が軽快で映える | 過飽和で玩具感のリスク | 中庸 |
| ウルトラマリン寄り | 写真での青の芯が出る | 緑味の調整が必要 | 中庸〜低 |
| 混色(群青+微緑) | 狙い撃ちの寄せが可能 | 再現性の記録が必須 | 設定次第 |
過飽和で軽く見える→群青を足すか艶を上げて深度を作る。
暗所で黒落ち→明度を上げるか、背景をグレーに変更。
ムラ→希釈を薄めて距離一定、薄吹きの回数で均す。
- 群青:青の中でもやや紫寄りで深みのある領域。
- 中庸艶:艶有と艶消しの中間。反射が穏やか。
- 黒落ち:暗所で青が黒っぽく沈む見え方。
- 反射帯:光が面に沿って伸びる明るい帯。
- 層構成:サフ/カラー/トップの積層設計。
混色レシピの作り方と検証プロセス
専用色が手元に無い場合や、微妙な寄せを狙う場合は混色が現実的です。レシピは「柱色」「深度色」「方向付け」の三役で設計すると再現性が上がります。ここでは作り方と検証の手順、記録術をまとめます。
柱色・深度色・方向付け
柱色=群青系、深度色=ネイビー系少量、方向付け=ごく微量の緑または青緑で決めると組みやすいです。緑は入れ過ぎると別物になるため、湿った綿棒の先に触れる程度の極少量から始めるのが目安です。
テストと閾値の把握
濃度を一段階ずつ記録し、写真で比較します。人の目は連続的な変化に鈍感なため、段階見本を作ると差が読みやすいです。露出・WB一定での撮影が前提です。
再現性の記録術
スポイトや計量スプーン、同容量の点数管理など、数で記録すると後から再現しやすいです。塗料瓶に配合と日付を書いておくと、経時変化の把握にも役立ちます。
- 柱色を基準濃度で用意し、白で明度を微調整。
- 深度色を1〜2滴から試し、黒落ちしない範囲に。
- 方向付けの緑は綿棒先で極少量ずつ加える。
- 段階見本を作り、露出固定で撮影比較する。
- 瓶に配合比と日付を書き、再現性を確保する。
- トップ前提での見え方もテスト片で確認する。
- 本体は面出し後に一気に塗り、乾燥は十分に。
- 段階見本ありで配合再現の失敗が減少。
- 緑の極少添加で「青の芯」を保ちやすい。
- 露出固定撮影で色判断のぶれが縮小。
「緑は色を決める“方向キー”でした。綿棒の先で触れる量から始めたら、一気に狙いが定まりました。」
マスキングとロゴ再現の段取り
カルソニックの白ロゴは青とのコントラストが強いため、境界の滲みが目立ちやすいです。段取りで失敗を減らし、再作業が可能な層構成にしておくと安心です。ここではマスキングの順番と道具、トラブル回避を整理します。
順番の設計
サフ→青→乾燥→ロゴの白→トップの順が扱いやすいです。白は下地をやや明るめにすると発色が楽になります。ロゴはデカールやカッティングを使い分け、曲面は分割貼りで負担を減らします。
道具と当て方
カットしたマスキングは角を丸めると剥がれにくく、滲みも減ります。貼る前に埃を飛ばし、圧着は中央から外へ。スジ彫りに沿わせて押さえると境界が安定します。
トラブル対応
滲みは薄い青で境界だけを細筆補正、剥がれは段差の段取りを見直すと再発が減ります。白の欠けはロゴ全体ではなく部分置換で対処すると自然です。
- ロゴの白は薄く複数回でムラを抑える。
- 角を丸めたマスキングで剥がれを回避。
- 境界はスジ彫りに沿わせて圧着。
- 曲面は分割してテンションを分散。
- 剥離方向は塗り重ねと逆へゆっくり。
- 埃対策に貼付前のブロアを習慣化。
- 補修は局所、全体の塗り直しは最終手段。
- ロゴ位置を仮配置し、ガイド線を下描き。
- 青を均一に塗布し、十分に乾燥させる。
- マスキングを角丸で作成、中央から圧着。
- 白は薄く重ね、乾燥後に段差を確認。
- 境界をチェックし、必要なら局所補修。
クリアとトップコートで色を締める
最後は艶と層構成で色を締めます。青は艶の差で印象が大きく変わるため、トップの選択と研ぎ出しの程度が鍵です。撮影と展示で光が変わる前提で、折衷的な艶に寄せると扱いやすくなります。
トップ選択の考え方
写真で映えを狙うなら艶高め、実物での落ち着きを狙うなら中庸が目安です。艶消しは情報線が沈むため、部分的な使い分けに留めると破綻が少ないです。
研ぎ出しの幅
反射帯が連続すると色の芯が立ちます。研ぎは角を落とさない範囲で面の波をならし、最後にトップで包むと質感が均一になります。局所だけ強く磨くと「斑の艶」になりやすいので注意が必要です。
撮影・展示の切り替え
撮影では光を柔らかく回し、展示では触る位置を固定して指紋の再付着を避けます。ブロアと柔らかい布での軽いクリーニングをルーチン化すると長期の安定につながります。
Q. 艶高めと中庸で迷います。
A. 写真重視なら高め、実物重視なら中庸が扱いやすいです。テスト片で両者を撮り比べると判断が早いです。
Q. 指紋が気になります。
A. 触る位置を決め、仕上げ後は手袋を使うと再付着を抑えやすいです。
写真映えしやすく、反射帯で青が軽く見える。
実物での落ち着きが出て、過飽和を避けやすい。
- 中庸艶採用で展示時の指紋目立ちが低下。
- 研ぎ出し後のトップで色の芯が安定。
- 艶の統一でロゴ境界のにじみ感が減少。
まとめ
カルソニックブルーは、色そのものよりも「艶・面・光」の整え方で印象が大きく変わります。
群青を柱に微量の緑で方向付けし、スケールに応じた明度補正を加えると写真でも実物でも破綻が出にくいです。
ロゴの白は薄く重ね、境界は圧着と分割で安定化。最後は目的に合わせた艶で包めば、濃いのに軽い独特の青に近づけます。評価は撮影条件を固定し、テスト片での比較を通じて落とし所を見つけていくと、短時間でも納得の仕上がりにたどり着きやすいです。

