本稿では水性/ラッカー/ウレタンの特性や、下地とサーフェイサーの関係、白化とシルバリングの回避、色別のコツをまとめ、撮影まで含めた運用の目安を示します。まずは「どの艶で終えるか」を決め、そこから工程を逆算して比較を組み立てていきましょう。
- 比較の軸は「艶レベル/下地粗さ/環境」の三本柱
- 白化は湿度・厚塗り・急冷が重なると起きやすい
- 発色と陰影は「艶×面の平滑さ」の掛け算で決まる
- 撮影用途はハイライトの出方を基準に選ぶと安定
- 再現性は記録(圧/距離/希釈/乾燥)で高めやすい
ガンプラのつや消しは比較して選ぼう|最新事情とトレンド
焦点は「同じ条件で並べて見る」ことです。艶の印象は光と角度に左右されます。光源・距離・塗り回数を固定し、つや消し度合いを段階で把握すると選択が早くなります。仕上げ目的(ディスプレイ/撮影/運用)ごとに評価軸を分けておくと迷いが減ります。
- 同じ素材(ランナー切れ端や同一プラ板)を5〜6枚用意する
- 番手を揃えて下地を研ぎ、角を軽く面取りしておく
- 同じベース色で塗り、乾燥時間を統一する
- つや消しを条件違いで吹き分け、番号と条件を明記する
- 斜光/面光源/自然光で撮影し、記録と感想を残す
- 平滑:面の凹凸が少ない状態。艶の素直さに影響
- 白化:湿度や厚塗りで塗膜が白く曇る現象
- シルバリング:デカール下に空気が残り銀浮きすること
- 番手:紙やすりの粗さの数字。大きいほど細かい
- 希釈:塗料と溶剤の混合比。霧の細かさに影響
艶レベルの段階づけ
フラット強め/標準/半艶寄りの三段に分けると比較が進みます。
写真での見え方、手触り、粉っぽさを同時に見ると差が掴みやすいです。
評価環境の固定
机上LED+拡散板、スマホの固定、撮影距離を数値化します。
条件を揃えないと、微妙な艶の差が環境に埋もれてしまいます。
下地の寄与
同じつや消しでも、下地の番手と平滑度で印象は変わります。
艶ムラが出るときは、面のうねりが原因のことが多いです。
記録の型
圧(kPa/psi)、ノズル径、距離、希釈、乾燥時間を定型で記入。
比較は記録の質で再現性が変わります。
撮影基準の設定
面の反射帯が細く均一に出るか、影のエッジが立つかを確認。
ハイライトの暴れは艶ムラのサインです。
つや消しの種類を比較する:水性/ラッカー/ウレタンの使い分け
焦点は「安全と仕上がりと手間の均衡」です。水性は扱いやすさ、ラッカーは乾燥と均一性、ウレタンは耐久の面で強みがあります。目的と環境に合わせて優先事項を決め、比較から選ぶと納得度が上がります。
| 種類 | 扱いやすさ | 乾燥/硬化 | 発色/粒子感 | 向く用途 |
|---|---|---|---|---|
| 水性 | 臭気が控えめで安心 | 乾燥は穏やか | 粉っぽさが出やすい | 室内/初心者/広面 |
| ラッカー | 均一に乗りやすい | 乾燥が速い | 艶のコントロールが容易 | 広面/マスキング多用 |
| ウレタン | 調合の手間がある | 強い塗膜 | 質感が安定 | 耐久/最終保護 |
- 白化は湿度上昇+厚塗り+低温の重なりで増加
- 粉っぽさは距離過大や希釈不足で出やすい
- 艶ムラは下地のうねりと乾燥差で現れやすい
- 室内/換気が弱い→水性優先で計画
- 乾燥時間を短縮したい→ラッカー中心
- 持ち運びや擦れ対策→ウレタンで最終封止
- デカール保護が必要→半艶→つや消しの順
- 撮影重視→ラッカーの均一性を軸に調整
水性の活かし方
距離と圧を低めに整えると粒子感が落ち着きます。
乾燥を急がず薄く重ねるのが安定の近道です。
ラッカーの安定性
霧の細かさで艶が素直に決まります。
下地を平滑にしておくとムラのリスクが減ります。
ウレタンの使い所
最終保護に向きますが、調合と道具管理の手間が増えます。
一度に厚くせず、薄く均一の重ねで仕上げると良い印象です。
下地とサーフェイサーの関係:艶の見え方は面で決まる
焦点は「艶の手前にある面の整え」です。下地の粗さやうねりはつや消しで隠れません。むしろ艶を落とすほど影が柔らかく広がり、面の崩れが目立つことがあります。番手の上げ下げと当て板の使い方を意識し、艶の前に面を作るのが近道です。
| 番手 | 用途 | 圧/距離の基準 | 見え方の変化 |
|---|---|---|---|
| 400〜600 | 成形跡/段差の均し | 圧は控えめ/近距離 | 粗い傷が均一なら次へ |
| 800〜1000 | 面の通し/段差調整 | 一定圧/中距離 | 影の流れが整う |
| 1200〜2000 | 仕上げ前/デカール下 | 低圧/遠め | ハイライトが素直になる |
うねりの残存:当て板を使わず指の腹で研ぐと局所だけ削れて帯が出ます。
平面は当て板、曲面は柔らかい当て材で曲率を保つのが目安です。
段差の露出:サフで埋め切らずにつや消しへ進むと、影が濁ります。
サフ→研ぎ→チェックの往復を2〜3回で整えると安定です。
粗さの混在:番手が混ざると反射が乱れます。
同じ番手の面を広く作り、境界は一段上の番手で馴染ませます。
- 斜光で帯が細く連続して見える
- 継ぎ目の山/谷が減り、触感が均一
- デカール部の凹凸が減って貼りやすい
- 艶の落ち方が面ごとに揃う
- 写真で色転びが小さくなる
サーフェイサーの粒度と色
明色は白/薄グレー、濃色は中間グレーが安定。
粒度は細かいほうが艶の素直さに寄与します。
当て板と曲率
平面は硬い板、曲面はスポンジを使い分けると通りが良くなります。
角は最後に軽く当て直して尖りを戻すと輪郭が締まります。
見え方の確認
面光源で白飛びしないか、斜光で帯が暴れないかを確認。
問題があれば下地に戻す判断が結果的に近道です。
白化・シルバリング・厚塗り:トラブルを穏やかに避ける
焦点は「環境と工程のバランス」です。白化は湿度と厚塗りで出やすく、シルバリングは空気の残留が原因です。乾燥を挟み、段差や空気を減らす順番に整えることで穏やかに回避できます。
Q. 白化は天気が悪いと必ず起きる?
A. 起きやすくはなりますが、薄く重ねて乾燥を挟めば抑えられます。温度と湿度を軽く管理すると安心です。
Q. デカールの銀浮きはどう防ぐ?
A. 下地を平滑にし、半艶→デカール→最終つや消しの順です。空気を押し出す作業時間を確保すると効果的です。
Q. 厚塗りの見分け方は?
A. ハイライトが急に鈍る、粉っぽさが出る、指触で柔らかい等が合図です。早めに間隔を空けましょう。
- 湿度/温度を簡易計で把握し、極端なら延期する
- つや消しは薄いベールで複数回に分ける
- 半艶で段差を整え、デカール後に最終つや消し
- 乾燥は送風中心で急冷は避ける
- 撮影前に柔らかさが残っていないか触感で確認
夏場の夕方に白曇りが出がちでした。距離を5cm縮めて希釈を上げ、薄吹き→送風→薄吹きに変えたところ、粉っぽさが収まり、色の沈みも穏やかになりました。
環境管理の目安
湿度が高い日は薄吹きと乾燥時間の延長で対処します。
温度が低い日は塗装前にパーツの冷えを避けると安定です。
デカールとの相性
段差をクリアで馴染ませてから最終つや消しを重ねます。
艶の差が大きいと銀浮きしやすいので、段階を挟むと良いです。
厚塗りのサイン
溶剤の匂いが強く残る、ハイライトが急に鈍るのは合図。
いったん止めて休ませるだけで結果が好転しやすくなります。
色別のコツ:白/赤/濃色/メタリック/パールでの比較視点
焦点は「色と艶の相互作用」です。白は粉っぽさ、赤は沈み、濃色は帯、メタリックやパールは粒子の見え方が鍵になります。色ごとの癖を理解して段取りを変えると、少ない手直しで狙いに寄せられます。
- 白:粒子感が出やすい。距離短め/希釈高めで薄く
- 赤:発色の沈みを防ぐため半艶を挟むと安定
- 濃色:帯が目立つ。下地の平滑さを優先
- メタリック:粒子が寝やすい。霧を細かく
- パール:角度で見えが変わる。面光源で検査
- 白:中間グレー下地→薄吹き多回→送風で乾燥
- 赤:下地平滑→半艶→デカール→つや消し薄掛け
- 濃色:当て板で通り→薄吹き→艶の帯を確認
- メタ/パール:霧を細かく→休ませ→極薄で整える
- 白で粉っぽさが出ない(指触が滑らか)
- 赤で沈み過ぎず、影のエッジが柔らかい
- 濃色で帯が連続し、うねりが見えにくい
- メタ/パールで粒子が暴れず均一
- 撮影で色転びが小さい
白の粉っぽさ対策
距離を詰め希釈を上げると粒子感が軽減します。
面光源で白飛びしない薄さを目安に重ねましょう。
赤の沈み対策
半艶を挟んで色の深さを保ち、最終で軽く艶を落とすと落ち着きます。
厚塗りはくすみの原因になりやすいです。
濃色とメタ/パール
濃色は下地の平滑が命、メタ/パールは霧の細かさが鍵。
角度を振って観察し、粒子の寝方を確認して進めます。
実地の比較テスト:条件表と運用の記録で再現性を高める
焦点は「数値化と写真化」です。同じ条件で並べ、結論と数値を紐づけると次回の調整が速くなります。圧や距離は感覚に頼らず、簡易計や定規で測ると共有もしやすくなります。
| No. | 希釈 | 圧 | 距離 | 環境 | 艶の印象 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 高め | 低圧 | 短め | 乾/常温 | 滑らかで粉感が少ない |
| 2 | 標準 | 標準 | 中距離 | 乾/やや低温 | 均一で扱いやすい |
| 3 | 低め | 高圧 | 遠め | 湿/常温 | 粉っぽさと白化が出やすい |
- 希釈高め+低圧+短距離:滑らかで粉感が減る
- 標準条件:再現性が高く比較に向く
- 低希釈+高圧+遠距離:白化やムラの誘因
- 斜光/面光源/自然光の三枚を同一設定で撮る
- 距離と露出を固定し、比較画像は並列配置
- 艶の帯と影のエッジを基準に評価
- 条件と写真を同じ番号で紐づける
- 結論は短文で「次回の初期値」を明記
数値化の工夫
コンプレッサの圧を数値で記録し、ノズル径や室温湿度も添えます。
感覚語を減らすだけで共有の精度が上がります。
写真化のコツ
固定具と背景色を統一し、反射の帯を比較します。
スマホの焦点距離を固定すると色転びが減ります。
活用の流れ
初期値→比較→修正→再比較のサイクルで、目的の艶に寄せます。
記録をテンプレ化すると、次回が楽になります!
まとめ
ガンプラのつや消しは、比較の軸(艶レベル/下地/環境)を先に揃えると判断が速くなります。水性/ラッカー/ウレタンは強みが異なり、目的と環境で選ぶと納得度が高まります。
白化やシルバリングは工程を段階化し、薄吹きと乾燥を挟むだけでも抑えられます。色別の癖に合わせた段取りと、数値化・写真化の記録で再現性は上がります。撮影まで逆算した艶づくりで、落ち着いた質感と面の通りを両立していきたいですね。

