プラモデルの車の塗装を整える|下地色と艶配分とマスキングの段取り目安

プラモデルの車は面が広く光の乗り方が印象を左右します。成形色を土台に下地色と艶を段階的に合わせ、にじみや粉感を避けるだけでも完成度は安定します。
本稿では下地づくりから色の乗せ方、マスキング、クリアと研ぎ出し、細部の締めまでを「戻れる一手」で繋ぎ、やり直しやすさも確保します。まずは完成図の言語化優先順位の明確化から始めると迷いが減ります!

  • 広い面は低〜中艶で落ち着きを作る
  • 下地色は最終色の明度に一段寄せる
  • マスキングは境界の圧着を最優先
  • 薄層を重ね粉感と段差を避ける
  • クリアは層厚と乾燥で艶を安定
  • 研ぎは番手を飛ばさず均一に
  • 小物は点の金属色で導線を作る

プラモデルの車の塗装を整える|はじめの一歩

完成像を先に描き、色数より艶配分で密度を作る方針に寄せます。広い面は低〜中艶、窓枠や金属部は細い光で締めると落ち着きやすいです。下地は最終色の明度と相性を取り、薄層の重ねで段差を生みにくくします。

目標の質感を決める

新車の光沢か落ち着いた艶かを最初に定めます。光沢寄りでも、広面の映り込みが強すぎると模型らしさが薄れます。低〜中艶に細いハイライトを通す形が扱いやすい目安です。

成形色と地色の関係

成形色が最終色に近い場合は、地色を薄めに整え塗膜を節約します。遠い場合は、グレーやアイボリーなど中庸の地色で彩度を落ち着かせると安定します。

スケール感と艶の配分

スケールが下がるほど艶は控えめが穏当です。大型でも全面鏡面は映り込みが強く、形状が読みづらくなります。艶は面ではなく帯で見せる意識が目安です。

使用塗料の選び方

扱い慣れた種類で統一すると乾燥や重ねの挙動が読めます。異種を重ねる場合は試験片で相性を確認すると安心です。

作業環境と乾燥管理

湿度と埃の管理が仕上がりを左右します。乾燥待ちは短縮より均一を優先し、薄く重ねる前提で組み立てます。

手順ステップ

  1. 完成像を短文で言語化し艶の方針を決める。
  2. 成形色と最終色の距離から下地色を選ぶ。
  3. 試験片で重ね順と乾燥の挙動を確認する。
  4. 広面は薄層で均し、帯のハイライトを想定。
  5. 細部は点の金属色で導線を作り過剰を避ける。
ベンチマーク早見

  • 広面:低〜中艶で落ち着き寄り
  • 窓枠:半艶で線を細く見せる
  • 金属:点光で主張を最小限
  • 下地:中庸色で彩度を整える
  • 重ね:2〜3層で段差を回避
注意:光沢狙いでも一度に厚く乗せるとゆず肌やだれの原因になります。層を薄く重ねる配分が安全です。

下地づくりとサーフェイサーの使い分け

下地は色の発色だけでなく面の滑らかさを担います。ここでは面出しサフ色段差とヒケの扱いを中心に、塗膜の厚みに頼らず整える方針を共有します。

ゲート処理と面出し

広面は研磨の筋が残ると光で強調されます。番手を飛ばさず、当て板で平面を保ちながら整えると段差が出にくいです。

サフ色の選定

白系は明るいサフ、濃色はグレーやブラック寄りで締まりが出ます。最終色の明度差を一段抑えると層が薄く済みます。

ヒケと段差の見直し

サフ一層目は検査の役割です。乾燥後に浮く筋やヒケを洗い出し、必要な範囲だけ再充填すると厚みの偏りを避けられます。

工程 狙い 道具 目安
面出し 平面の維持 当て板+耐水 番手を順に
サフ1層目 傷の検査 薄吹き 乾燥後に点検
再調整 段差是正 充填材 局所で処理
ミニチェックリスト

  • 平面は当て板で保持できているか。
  • 番手は飛ばさず順に当てたか。
  • サフ一層目で検査を行ったか。
  • 段差の処置は局所で収めたか。
  • 最終色の明度に下地を寄せたか。
ミニ用語集

  • 面出し:平面を保ちながら研磨で整えること。
  • ヒケ:樹脂の収縮で生じる浅い凹み。
  • 番手:研磨紙の粗さ番号。飛ばすと筋が残る。
  • 下地色:最終色の発色を助ける地の色。
  • サフ:下地用塗料。検査と食いつきの役割。

ボディカラーの塗り重ね戦略

薄層を重ねて均一に伸ばすのが基本です。ここでは層設計乾燥の配分色の性格を踏まえ、段差と粉感の発生を抑えながら発色を安定させる流れを整理します。

薄吹きの層設計

一層目は食いつき、二層目で色をのせ、三層目で均しを意識します。毎層の目的を分けると塗膜が暴れにくいです。

乾燥時間の目安

表面が乾いても内部は動きます。層間は短縮より安定を優先し、触れて印象が変わらない程度まで待つと安全です。

メタリックとソリッドのコントロール

メタリックは粒の向きが画を左右します。距離と角度を固定し、最後は軽く流してムラを整えると落ち着きます。ソリッドは均一さを重視し、帯のハイライトを細く通すと密度が上がります。

ミニ統計

  • 三層設計で段差の発生が減る傾向。
  • 層間を長めに取ると艶の乱れが抑制。
  • 粒向きの意識でメタリックのムラが減少。
比較ブロック

厚塗り寄り

段差とだれのリスクが上がる。短期の艶は出やすい。

薄層重ね

時間はかかるが均一。後工程の研ぎが穏当。

よくある失敗と回避策

粉感が出る→距離を近づけ速度を安定させる。

色ムラ→最後に薄く流し、帯のハイライトで整える。

だれ→一層を薄くし、層間をやや長めに取る。

マスキングと二色塗りの精度を高める

境界のにじみは印象を大きく損ねます。ここでは曲面のエッジ圧着と下塗り順序設計で精度を底上げし、剥がし跡や段差の発生を抑える手順をまとめます。

曲面のエッジ処理

テープは細幅に割り、曲率に合わせて少しずつ置きます。最後は継ぎ目を軽く押さえ、ラインを途切れさせない意識が目安です。

境界線のにじみ対策

色の前に同系の薄い層を入れると、にじみが目立ちにくくなります。圧着は爪の腹で均一に行うと安心です。

効率的な順序の組み方

明色→濃色の順が扱いやすい傾向です。塗る面積が広い色を先に行い、剥がしは角度を浅く保つと段差の乱れを抑えられます。

  1. テープを細幅に割り曲率に合わせて置く。
  2. 継ぎ目をならし、境界を指の腹で圧着。
  3. 色の前に同系を薄く流して防波堤を作る。
  4. 広い色→狭い色の順で二色を重ねる。
  5. 剥がしは浅い角度でラインを守る。
Q&AミニFAQ
Q. 曲面でテープが浮く?

A. 細幅に割り、短いピッチで置き換えると浮きが減ります。

Q. 剥がし跡が怖い?

A. 乾燥を十分に取り、浅い角度で引くと段差の乱れが抑えられます。

二色の境界は「圧着→下塗り→本色→浅い角度で剥がす」の順で安定しました。線が細く立つと画の落ち着きが戻ります。

クリアと研ぎ出しの仕上げ設計

艶はクリアの層厚と研ぎの均一で決まります。ここではクリアの種類研ぎ順最終調整を段階化し、鏡面を目指す場合でも過剰な厚みを避ける配分を共有します。

クリアの種類と層厚

厚いほど良いわけではありません。二段で薄く均一に乗せ、必要なら三段目で整えると段差が生じにくいです。

研ぎ順と番手の目安

粗→中→細の順で飛ばさず進めます。平面は当て板で面を保ち、曲面はスポンジで均一を意識します。

艶の最終調整

全面鏡面に寄せるより、帯で細い光を走らせる方が形が読みやすくなります。必要に応じて半艶クリアで落ち着かせるのも一案です。

  • 二段で薄層→必要時に三段目で均し
  • 番手は飛ばさず面を保ちながら進行
  • 帯のハイライトで形状を見せる
手順ステップ

  1. 色面を十分に乾燥させる。
  2. クリアを二段で薄く重ねる。
  3. 段差を確認し必要なら三段目を追加。
  4. 研ぎは当て板とスポンジで役割分担。
  5. 最終艶を帯の光で確認し整える。
比較ブロック

全面鏡面寄り

映り込みは強いが形が読みづらい場面も。

穏やかな艶

形が読みやすく安定。写真でも破綻が少ない。

小物塗りとディテールで雰囲気を整える

細部は点で効かせると主役の面が崩れません。ここではメッキ表現窓枠タイヤとホイールの質感づくりをまとめ、視線を迷わせない導線を作ります。

メッキ表現の代替

全面を強い金属光にすると主役が散ります。点で入れると締まり、距離を変えてもバランスが保たれます。

窓枠とウェザリング

半艶で線を細く見せると清潔な印象に寄ります。わずかな陰影で溝を強調すると輪郭が立ちます。

タイヤとホイールの質感

タイヤはやや低艶でゴム感を出し、ホイールは金属帯で差をつけます。泥や埃は控えめに留めると落ち着きます。

ミニ用語集

  • 点光:小面積で入れる金属の光。
  • 帯光:稜線に沿う細いハイライト。
  • 半艶:完全光沢より落ち着く中間艶。
  • 導線:視線を導く配置や明暗の流れ。
  • 陰影:明るさの差で形を際立たせる効果。
ミニチェックリスト

  • 金属色は点で控えめに使えているか。
  • 窓枠の線は太りすぎていないか。
  • タイヤは低艶でゴム感が出ているか。
  • ホイールの帯光は細く通っているか。
  • 小物の主張で主面が負けていないか。
Q&AミニFAQ
Q. 金属色が強すぎて浮く?

A. 面ではなく点で置き、帯光に役割を分けると落ち着きます。

Q. 窓枠の線が太くなる?

A. 半艶で細く塗り、溝の陰影を軽く足すと締まります。

まとめ

広い面は艶の配分で静かな密度を作り、境界は圧着と下塗りでにじみを抑えると、完成後の安定感が増します。
ボディカラーは薄層を三段で重ね、乾燥は短縮より均一を優先します。クリアは層厚を控え、研ぎは番手を飛ばさず、帯のハイライトで形を見せると穏当です。
細部は点の金属色と半艶の線で導線を整え、主役の面を崩さないことが目安です。段取りを「戻れる一手」で繋いでいけば、落ち着いた仕上がりに近づきます。