ガンプラの表情はスミ入れで大きく変わります。まずは樹脂や塗装の状態に合うペンの系統を決め、拭き取り方式と色の使い分けを組み合わせると、ムラが出にくくなります。強い主張よりもキットの造形を引き立てる方向を中心に、手持ちの道具で再現しやすい選択を優先すると失敗が減ります。仕上がりを均一にするには、乾燥時間や拭き取り圧の管理が目安です。迷ったら、狙う質感と作業時間から逆算する考え方が役立ちます!
- 未塗装ABSは溶剤の強さに注意すると安心です。
- 成形色を生かす場合は拭き取り跡の残り方を観察します。
- トップコートの種類で拭き取り難度が変わります。
- 色は機体色に近い低コントラストが自然です。
- 線の太さはモールド幅の七〜八割が目安です。
- 毛細タイプは時短、筆先タイプは表情づけに向きます。
- 乾燥と拭き取りは力より時間配分が効きます。
ガンプラのスミ入れペンを選ぶ|やさしく解説
スミ入れの成否はベース面の状態に左右されます。未塗装の素地か、塗装後か、トップコートの有無かで、浸透の速さと拭き取りの抵抗が変わります。まずは使う面の材質と表面の粗さを見て、使える溶剤の強さを選ぶと良い流れになります。ABSやPOMなど、溶剤に敏感な樹脂では穏やかな系統が安心です。
未塗装ポリスチレンの成形色を生かすとき
成形色を残す場合は、拭き取りで色移りしにくい方式が扱いやすいです。モールドに沿って流れやすく、余分はやわらかい布や綿棒で軽くなじませると、面の光沢を壊しにくくなります。
ABSや軟質混合パーツへの配慮
ABSは強い溶剤に敏感です。負荷がかかる関節周りは、染み込み時間を短めに保ち、拭き取りの圧を弱めると破損の不安を減らせます。面に合う色を選ぶと線が浮きすぎず自然です。
トップコート後の面で起きる差
つや消しは拭き取り跡が残りやすく、半光沢や光沢はなじみやすい傾向です。仕上げの方向に合わせて、乾燥時間の取り方を変えると安定します。面の粗さが高いほど毛羽立ちに注意です。
凹モールドと段差モールドの流れ方
細い凹モールドは毛細効果が強く、段差の陰影は薄めの色でも十分に効きます。線幅に対して過度に太いペン先を選ぶとにじみが出やすいので、狙う幅の七〜八割を基準に考えるとバランスが取りやすいです。
乾燥時間と応力のコントロール
乾燥を急ぎすぎると表面だけ固まり、拭き取りの抵抗が増えます。反対に長く置きすぎると固着が進み、無理な圧が必要になって白化の一因になります。気温と湿度を考慮し、様子を見ながら段階的に進めると安全です。
素地は時短/塗装面は均一さ/トップコート面は拭き取りの容易さ。
PSは扱いやすい/ABSは穏やか系統/POMは付着性の目安を確認。
- H)手順ステップ:面の材質確認→トップコートの有無→溶剤強度の選択→線幅に合わせたペン先→乾燥と拭き取りの順で進めます。
拭き取り方式の選び方:綿棒・布・拭き取り液のバランス
拭き取りは「何で」「どの方向へ」「どのタイミングで」行うかが仕上がりに響きます。強い力はにじみの原因になりやすいので、面圧より時間を味方にする考え方が安定します。トップコートの種類に合わせて、液の種類や量を少しずつ変えると跡が残りにくくなります。
綿棒と布の使い分け
綿棒は細部のコントロールに向き、布は広い面の均しに向きます。繊維残りを避けたいときは目の細かい布をあて、端だけで軽くなでると色を引きすぎません。
拭き取り液の量とタイミング
液は少量を複数回が目安です。早すぎると線が痩せ、遅すぎると固着が進みます。面の光沢を見ながら、軽い往復で跡を薄めると自然です。
面の方向と圧のかけ方
筋目はモールドに直交方向で軽く当てると残像が整います。角の立った面は、角を避けて平面から当てると色の引きすぎを防げます。
| 方式 | 向く場面 | 注意点 | 時短のコツ |
|---|---|---|---|
| 綿棒 | 細溝や入り組んだ面 | 繊維残り | 細先端を回転させて当てる |
| 布 | 広い平面や装甲板 | 引きすぎ | 端面だけで軽く往復 |
| 拭き取り液 | 固着が進んだ箇所 | 面荒れ | 少量を複数回に分ける |
液が多すぎてにじむ→綿棒の根元で量を落としてから当てると安定します。
布目が残る→目の細かい布に替え、直交方向へ軽く流すと跡が薄れます。
角で色が抜ける→角を避けて平面から当て、最後に縁だけ整えると回避しやすいです。
- J)ミニチェックリスト:面の光沢/繊維残りの有無/液量の管理/直交方向の拭き取り/角の扱い。
色の使い分けと見映え:ホワイト系・寒色・メタル面
色選びは「面を沈ませる」より「造形を浮かせる」感覚が安定します。白系は中間グレー、寒色は青みグレーややや濃い目、メタル面は薄いブラウン系が自然に馴染みやすいです。高コントラストは写真映えしやすい一方で、実物感が遠ざかる場合もあるため、目的に合わせて濃度を上下させると柔軟に運べます。
ホワイト系での低コントラスト運用
白地は線が主張しやすいので、中間〜やや薄いグレーが目安です。線を細く保つだけで十分に立体が見えてきます。迷うときは一段薄い色から始めると安全です。
寒色・暖色の補色バランス
青や赤の面は、近い系統のグレーで落ち着きを保てます。補色に寄せすぎると線だけが浮きやすいので、彩度を抑えた中間トーンが扱いやすいです。
メタル面とメカ的ディテール
金属風の面は冷たい色だけでなく、薄いブラウンやスモークで油汚れ風の陰影を足すと密度が出ます。過度な同一色の連用は単調になりやすいため、部位ごとに一段階の濃淡差をつけると自然です。
- B)有序リスト:基準色を決める→一段薄い試し→写真で確認→必要なら一段濃く→最終の均し。
- 写真確認は室内灯と自然光の両方で行うと差に気づきやすいです。
- 面ごとの濃度差は一段以内に留めると統一感を保てます。
白=中間グレー/寒色=青みグレー/暖色=やや濃いグレー/金属=薄ブラウンが目安。
Q. 白地で線が強すぎる?
A. 一段薄いグレーに替え、線幅を細く保つと落ち着きやすいです。
Q. 赤面で黒が浮く?
A. 青みグレーや暗めの中間グレーへ寄せると馴染みます。
線の太さとペン構造:芯タイプ・毛細・筆先の違い
同じ色でも構造で印象は変わります。芯タイプは安定した線を引きやすく、毛細は流れ込みの速さが魅力、筆先は抑揚のある表現に寄せやすいです。モールド幅や面の粗さを見て、にじみやすさとスピードのバランスを選ぶとリズムが整います。
芯タイプの安定性
固めの芯は幅管理がしやすく、細い凹モールドに向きます。角の立つ面でもコントロールしやすく、拭き取り後に線幅が残りやすいのが利点です。
毛細の流れ込みと時短
毛細は毛管現象で素早く線を満たします。長い溝や段差の多い部分で時短になり、拭き取りの負担も軽くなります。面荒れが強いところはにじみを観察し、少しずつ流すと安定します。
筆先の抑揚
筆先は太細の変化を付けやすく、外装の割れ目や内部フレームの陰影に表情を与えられます。乾燥の合間に軽くなじませると、線のエッジが自然に落ち着きます。
- C)無序リスト:芯=安定/毛細=時短/筆=表情付けと覚えると選択が速くなります。
- モールドが広い場合は筆や芯の太め側を選ぶとバランスが整います。
- 段差の影は毛細で流し、外装は芯で仕上げる組み合わせが扱いやすいです。
- L)ミニ用語集:毛管現象
- 細い溝に液体が自動で吸い上がる仕組み。流し込みで活用します。
- エッジ
- 面と面の境目。線が集まるため陰影が出やすい箇所です。
- 固着
- 塗膜と線が強く結びついた状態。拭き取りが難しくなります。
- G)ミニ統計:長い直線=毛細が時短/細密パネル=芯が安定/内部骨格=筆で抑揚、という分担が効率的です。
作業の流れと時間配分:下準備から最終の均しまで
作業は「準備→線入れ→乾燥→拭き取り→均し→点検」の六段で考えると、迷いが減ります。各段で目的を一つに絞り、次段への影響を見越して時間を配分すると、やり直しが少なくなります。面の種類ごとに速度を変えると、全体のリズムも整いやすいです。
下準備と試しの一筆
埃取りと指紋の除去は短時間でも効果が出ます。見えにくい裏側で色と線幅を試し、面ごとに基準を作っておくと本番で迷いにくくなります。
乾燥と拭き取りの見極め
乾燥時間は環境に左右されます。表面の光の反射と指先の抵抗で判断し、面の粗さに合わせて時間を微調整すると安定します。拭き取りは面圧より回数で整えるのが目安です。
最終の均しと光の当て方
最後は光の当たり方で表情が変わります。斜めからの光で段差を見て、浮いた線だけ軽く整えると、やりすぎを防げます。写真確認を挟むとムラに早く気づけます。
- H)手順ステップ:埃取り→試し線→本番→乾燥→拭き取り→均し→点検の順で進めます。
- 各段で目的を一つに絞ると、戻り作業が少なくなります。
- 写真の明るさを一定に保つと比較がしやすいです。
準備20%/線入れ30%/拭き取り30%/点検20%が起点になります。
ガンプラ スミ入れペン おすすめを整理:目的別の候補と選び方の目安
ここでは目的別に選び方の軸をまとめます。時短や表情づけ、失敗の少なさなど、求める方向で系統を変えると道具の持ち味が生きます。具体的な銘柄名ではなく、特性のセットで考えると置き換えもしやすくなります。
初めてで失敗を減らしたい
線幅の管理がしやすい芯タイプと、薄めの中間グレーが目安です。拭き取りは綿棒中心で、直交方向へ軽く当てると安定します。
短時間で面を整えたい
毛細タイプで長い溝を優先し、拭き取りは布で広く均します。角は最後に軽く整えると引きすぎを避けられます。
陰影を強めて表情を出したい
筆先タイプで太細の抑揚を付け、メタルや内部フレームに薄ブラウンを差すと密度が上がります。写真確認を挟むと行き過ぎを抑えやすいです。
| 用途 | 条件 | 向くタイプ | 拭き取り | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 初めて | 未塗装PS | 芯タイプ | 綿棒少量 | 薄グレーで控えめに |
| 時短 | 長い溝多め | 毛細タイプ | 布で広く | 角は最後に整える |
| 表情 | 内部骨格 | 筆先タイプ | 綿棒と布を併用 | 濃度は一段差に留める |
芯=線幅管理/毛細=時短/筆=抑揚と覚えると迷いにくいです。
強い黒を広範囲に使って線が浮く→中間グレーに替え、写真で確認して微調整。
拭き取りで面が荒れる→液を少量に分け、直交方向で軽く往復して整える。
時間切れでムラが残る→工程ごとに目的を一つに絞り、次段に繰り越さない。
まとめ
ガンプラのスミ入れペンは、樹脂と塗装の状態、拭き取り方式、色、線の太さと構造の四点を合わせて考えると選びやすくなります。芯は安定、毛細は時短、筆は抑揚という役割分担を起点に、白は中間グレー、金属は薄ブラウンなど低コントラストを軸にすると自然です。乾燥と拭き取りは力より時間配分が効くため、面の光沢を観察しながら段階的に整えると安定します。最後に写真で確認し、濃度を一段だけ動かすと落ち着いた表情へ寄せやすいです。

